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防火、防煙シャッターの構造、作動

火災の時に自動で閉まる、感知器連動防火「防煙」シャッターの取付場所と1連の動作に付いて紹介したいと思います。

付いている場所 : スーパー、デパート等では階段、エスカレーターの周囲、エレベーター前など。

フロア面積が広い場合は、フロアを2分割以上に間仕切る用に一直線状に付いています。

学校、一般ビル等は、階段前などに付いています。

要するに、煙/火などが違う階に広がらない様に、広いフロアの場合はそこの一画から広がらない様にする為です。

動作 : 煙感知器又は熱感知器等が火災を感知します。

煙感知器 (光電式スポット型感知器 3種)

続いて、感知器の信号が連動制御盤に入力され、制御盤のブザー及びランプが点灯します。

同時に、シャッターへ降下指令が出力されます。

連動制御盤 (NOHMI様製の連動制御盤です)

連動制御盤ですが、もの凄く種類が有ります、古いもの、新しいもの、様々なメーカーから出ています。

取付場所ですが、学校などはシャッター(防火戸)のすぐ近くに1台づつ付いている物が多いですが、スーパーなどは全防火設備を防災センターで監視する為、集中制御盤として1台で行っています。

最後にシャッターですが、自動閉鎖装置に連動制御盤からの指令が来て、開閉機のブレーキを開放してシャッターが自重で下がって全閉します。

自動閉鎖装置 (自動閉鎖装置)

左上に付いている黄金色の四角い部品です、作動すると箱の下に付いているレバーが上方向に動き、ブレーキを開放方向に動かします。(写真をクリックして頂くと、ブレーキ開放用ワイヤーが見えます)

ここまでで一連の動作です、続いて元に戻す方法を紹介いたします。

復旧操作 : 連動制御盤を復旧→自動閉鎖装置を復旧→シャッター巻上げ

連動制御盤操作スイッチ (連動制御盤 操作スイッチ)

連動制御盤の復旧スイッチ(オレンジ色)を押します。(メーカーによって様々な形及び配置になっていますが、復旧と書いてあるスイッチです)

自動閉鎖装置の復旧用ワイヤーを引っ張りレバーを戻します。(元の状態に戻すとカチッと音がします、復旧できない場合は連動制御盤が復旧出来ていないか、引っ張る力が足りないかどちらかです、たまにもの凄く動きが悪い物が有りますので、道具を使って引いて下さい)

シャッターの巻上げは、開閉機によって操作方法が違いますので省略いたします。(手動巻上げチェーンかハンドル操作です)

注意 : シャッターを巻上げる時、最初は空回りしている様な状態が続きますが、遅くとも1~2分ほど巻いていれば上って行きます、これはシャッターカーテンが巻取り部でたるんでいるからです。(数分巻いても上がらない時は、自動閉鎖装置が復旧出来ていない可能性が有ります)

続いて上げ過ぎにも注意して下さい、手動で上げるとどれだけでも上って行きますので、天井もしくはボックスの巻取り口のラインで巻くのをやめて下さい。

上げ過ぎた場合、降りなくなる場合が有ります。

電気回路、結線図のリンク先です。  防火、防煙シャッター 回路、結線図






防火戸が完全閉鎖しない

依頼内容 : ある中学校校舎の防火戸が途中で止まって完全閉鎖しないと言う修理でした。

原因 : 扉が閉まる通り道の床が盛り上がったのか、ドアが下がったのかどちらかはわかりませんが、ドアと床が当たり途中で止まってしまいます。

処置 : 床を削る事はできませんでしたので、ドアの下部をサンダーで1ミリ程度削り解消しました。

今まで学校の防火シャッター、防火戸等色々見てきましたが、かなり古い物が多く作動しないなど修理が必要な所が沢山有りました。

もし火事になったら大変です、そして誤作動で降りて人が挟まれても大変です。

まず動作テストをして、修理が必要であればすぐに・・・お願いします。

防火シャッターも防火戸も、ただ付いているだけに見えますが消耗品(バッテリー等 定期交換部品)が有り維持管理が必要です。



防火シャッターの誤作動について

今日ニュースでお子さんが防火シャッターに挟まれた報道がありました、火事の時に人の命を守る為に有るのか、命を奪う物なのか何の為に付いているかわからない状態です、もし本当の火事だったらと考えるとぞっとします。

学校の中にシャッター?と思われる方もたくさんいると思いますが、火事の時に炎や煙をシャッターで遮断させる為に付いています、スーパーなどフロアが広いところや階段、エスカレーターなどフロア同士が穴でつながっている所に防火シャッターは付いています、大きなスーパーですと何百台と付いています、普段は天井の中に納まっているので見ることは無いと思います。

簡単に仕組みと構造について説明をしたいと思います、これによって大変危険な物だと分かってもらえると思います。

まず火災の時の煙(煙感知器)又は炎の熱(熱感知器)で感知器が作動します、それを連動制御盤で受けシャッターを降ろす指令を出します、基本的に火災の時は停電になる事を想定して制御盤内にバッテリーが内蔵されておりバッテリーの電圧(24V)でシャッターが下降できる様になっています。

シャッター本体ですが上や途中で止まっている時は開閉機に内臓のブレーキで下がらない様になっています、下降させようとする時はこのブレーキを開放させてシャッターの重量だけで降ります、今日の報道では重さが100kg位でしたが、シャッターが大きくなればなるほど重くなります。一旦ブレーキを開放させると戻らないタイプがほとんどです、ですので一旦挟まれると大人でも抜け出せなくなります。

対策として今現在販売されている挟まれ防止システム付きシャッターと同じ構造に改造する事です。
古いタイプでもほとんどのシャッターに対応できますがこの装置のみ取り付ければ良いタイプやその他交換部品がでるタイプなど様々です。

部品構成は ①開閉機のブレーキを開放する装置 ②シャッターの座板(一番下の部分)スイッチタイプ ③座板スイッチとブレーキ開放装置をつなぐコード(シャッターの上下に対して自動で出たり入ったりする物) ④これらを制御する連動中継器などです。

今付いているシャッターに対してどれが必要かは一度専門家に確認してもらって下さい。

その他シャッターが降り始めたらブザーを鳴らすとか回転灯を回すとか色々方法は有ります、ですがこれらを動作させる動力はバッテリーのみなのであまり大掛かりな装置はできません。

その他の防火シャッターでヒューズ装置という完全機械式の物もあります、この場合は部品構成で書いたもの意外に感知器、連動制御盤等が必要になります。

ヒューズ装置の構造ですが、天井にある温度になると溶けてしまう部品(ヒューズメタル)が付いています、それが溶けるとバネの力でブレーキを解放させてシャッターが降りてくるタイプです、ヒューズメタルが古くなって外れてしまう事もまれに有りますので要注意です。